【食生活分野】健康の定義について解説!栄養と栄養素の違いって??
こんにちは。家庭科教諭の卵、yassuです。
今日は栄養学や家庭科の食生活領域を学ぶ上で大切な基礎中の基礎である健康の定義と,栄養と栄養素の違いについて解説していきたいと思います。
健康の定義
健康の定義は,1964年(昭和21)年に発足した世界保健機関(WHO)憲章の前文にこう掲載されています。
“Health is a state of complete physical . mental and sicial well-being and note merely the absence of desease or infirmity .
これを日本語訳すると「健康とは,単に病気ではない,虚弱ではないというのみならず,身体的,精神的そして社会的に完全に良好な状態を指す」という意味になります。
........ということは仕事を持ってない人は健康ではない?持病のある人は完治するまで健康ではない?うつ病の人は健康ではない?
いいえ。そもそも「健康」と「健康でない人」ははっきり二分できるものではありません。
特に,高齢者の多い社会では,ゆっくり進行する生活習慣病が多くなるため,「少々血圧が高めである」「やや肥満である」など,「半健康・半病気」的な人は多くなっています。
しかし,「長年高血圧だが,健康管理に気をつけ地域の活動に積極的に参加している」 や,「うつ病を患っているが,映画が大好きなので外出している」など,生きがいを持って生活する人は多いのです。
そのような人たちは健康の定義に近いのではないか?と考えます。
多様化した社会では,「健康」の定義についても,広く捉えていく必要がありますね。
ちなみに筆者は虫歯があり,歯医者に通院中ですが,しっかり歯磨きを強化し,美味しいものを食べているので健康に近い状態だと思います。笑
栄養と栄養素の違いとは???
続いては混乱しがちな,栄養と栄養素の違いについて解説します。
栄養とは,「生物が生命の維持・活動のために体外から必要な物資を取り込み,代謝し,健全な生命活動及び生活活動を営むこと」です。
そして,栄養素は「この時に取り込まれる物質のこと」と定義されます。
関連して,食事により体内に取り込んだ食品成分や体成分の分解を異化といい,体成分の合成を同化と言います。
また,体内での同化と異化による物質交代のことを代謝(=生命現象)と言います。
以上のことから,栄養は「栄養素を取り込み,生活を営む行為」のこと。
栄養素は「炭水化物やタンパク質などの物質」のことをいいます。
なので「このサラダは栄養がありそうだね〜!」というより,「このサラダは栄養素がありそうだね〜!」という方が適切ですね。笑
また,人体は食物から取り込んだ「栄養素」を中心として成り立っており,
炭水化物(糖質)・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル(無機質)のことを五大栄養素と言います。
さらに,人体は栄養素の他,5〜6割が水分でできており,その割合は乳幼児期で高く,加齢とともに低下していきます。
5大栄養素についてはまた次の記事で解説しますね。
日本が行なっている健康増進施策について解説!
今日は最後に,日本が行なっている健康の施策や法律についてご紹介します。
まずは健康増進法!
健康増進法とは,平成14年8月2日に制定された日本の法律です。
この法律において,日本国民は,生涯にわたって健康の増進に努めなければならないことが書かれています。
また,国・地方自治体・健康保険者・医療機関などに協力義務を課し,厚生労働大臣は国民の健康の増進のために,基本的な方針を定めること,と決められているのです。
次に健康日本21です。
健康日本21とは,健康で明るい高齢社会の実現に向けた「21世紀における国民健康づくり運動」のことです。
厚生労働省が健康と高齢社会に関するデータを公開しています。
第一次の期間が2000年〜2012年まで行われ,最終データも公表しています。
気になる方はぜひチェックしてください。
【今日のまとめ】
- WHOの健康の定義は「健康とは,単に病気ではない,虚弱ではないというのみならず,身体的,精神的そして社会的に完全に良好な状態を指す」である。
- 高齢化が進む中,多様な社会になったので健康の定義も多様であるべき。
- 栄養は「健全な身体活動のために,栄養素を取り込むこと」栄養素は「体に必要な物質」のことを指す。
- 日本は健康に関する施策を行なっている。
ざっくりまとめました。
この機会に皆さんも健康について考えてみてください。
ではまた。yassuでした。
参考図書▽